アダム・スミス−『道徳感情論』と『国富論』の世界−:堂目 卓生(著)
アダム・スミスと言えば『国富論』。アダム・スミスと言えば『神の見えざる手』。
アダム・スミスに関しては、学生時代に暗記した
この程度の知識しか持ち合わせていない私が、
新聞の書評に誘われて手に取ったのが本書。
相当にアカデミックな内容を予想し、先だって
当ブログでもご紹介した『3つの原理』に続く
難敵となることを覚悟していたのだが…
アダム・スミスが遺した2つの著作『道徳感情論』と『国富論』を平易に
解説したこの本は、私の予想を見事に裏切ってくれた。
特に本書の前半部分で紹介されている『道徳感情論』の世界には、
私自身、強い共感を覚えた。本書では原著の一部が引用されているだけ
ではあるものの、その内容が250年近くも前に著されたものであるとは、
にわかには信じられない。人間自身と人間社会を洞察するスミスの力は、
なまなかなものではなかったのだろうと想像させる。
後半の『国富論』に関しては、さしものスミスも正確には現代社会を
予想し得なかったのだろうと感じる部分はある。
それでもその内容は、現代社会の様々な問題を考える上においても、
十分に通用するツールとなるものだと思う。
この本を手にした当初、私は“にわかアダム・スミス通?”を気取れる
程度の知識が得られれば良い、と考えていた。「浅はかでした…」と
著者(堂目 卓夫氏)、ならびにスミスさんにお詫びを申し上げたい。
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